北上市で1歳9カ月の男児が十分な食事を与えられずに死亡し、父親(25)が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された事件で、市は5日、市役所で記者会見を開き、男児が通っていた市内の認可外保育所から「心配な子がいる」と相談を受けていたことを明らかにした。結果的に小さな命を救えなかった事態に市は対応の非を認め、保育所関係者は「前代未聞の事。悲しい」と嘆く。 最初の相談は今年2月27日で、同保育所の監査時に園長が市の担当職員に「登園時に男児の衣服などが尿や便で汚れていたり、園で服を着替えさせて帰しても翌日同じ服で登園する」と伝えた。 その後も市は同保育所と情報交換を続けた。心配のある子どもの一人として、男児の情報を県の児童相談所(児相)も入った会議で共有した。 しかし「保育所からは親子関係は良好と聞いており、職員が触っても他の子よりそこまで痩せているわけでもなく、緊急性のある状況とまでは把握できなかった