取り締まり強化や法整備によって暴力団の組織力が低下するなか、街のアウトローの世界で新たな勢力として台頭したのが「半グレ」と呼ばれる集団だ。2000年前後のITバブルの波に乗って資金力を得た彼らは、既存の暴力団組織のルールにとらわれず、新たな暴力装置として街に進出していった。ヤクザの隙間を埋めるようにして力をつけていった彼らは、いったい何者なのか。 暴力団でも暴走族でもない存在、それが「半グレ」と呼ばれる集団だ。暴走族OBなどで構成される愚連隊(街の不良集団)の通称で、その代表格とされるのが、東京の六本木や西麻布などの繁華街をテリトリーとする「関東連合」である。 もともと世田谷区や杉並区などを拠点とする複数の暴走族の集合体で、暴走族としては2003年に警視庁に解散届を出したが、その後も元メンバーたちが振り込め詐欺や、暴力団まがいの行為を繰り返し、様々な事件に関与してきた。 時に暴力団と対立し