環境省中部地方環境事務所(名古屋市)は5日、白山国立公園内の石川、岐阜両県にまたがる地域で、国特別天然記念物のライチョウが見つかったと発表した。白山でライチョウが確認されたのは、昭和初期以来約70年ぶりという。 発表によると、登山者から「5月26日にライチョウらしい鳥を見た」との情報が石川県白山自然保護センターに寄せられ、同センターの職員が2日、羽が生え替わったばかりの雌のライチョウ1羽(成鳥)を発見した。詳しい発見場所は公表されていない。 同事務所によると、主に本州中部の高山のハイマツ帯に生息するライチョウは現在、北アルプスと南アルプス、乗鞍岳などで確認されている。絶滅危惧(きぐ)種に指定され、生息数は約3000羽と推定されるが、2000羽以下という説もある。白山や中央アルプス、八ヶ岳、蓼科山では絶滅したとされている。白山では明治以降に激減、昭和以降には確実な生息記録が得られていなかった