この連載では、「ダメに見せない説明術」を扱っている。前回は、一つめのダメ説明である「長い、細かい、テンポ悪すぎ」をテーマに取り上げた。10のダメ説明は以下の通りである。 「10のダメ説明」 長い、細かい、テンポ悪すぎ 論点不明、主旨不明、結論なし 抽象的、具体的でない、表面的 理由がない、何故?が満載、説明が不足 独りよがり、自分視点、自己中心 遅い、ぎりぎり、時間なし 理解が浅い、内容が陳腐、質問されると沈黙 先を読まない、場当たり的、その場しのぎ 思想がない、考えがない、自分がない 反論する、否定する、対立する 前回は、説明者と被説明者間に発生する「説明におけるコンフリクト」について、その意味と発生メカニズム、「コンフリクト」の解消策としての「要約」の事例を簡単に説明した。 今回もこの続きとして、「長い、細かい、テンポ悪すぎ」というダメ説明の改善策である「要約」をテーマとする。なお、筆
米Dow Jonesが発行する金融情報誌Barron'sは、「世界で最も尊敬される企業100社」の2012年版を発表した。2012年6月23日付の電子版によると、最も尊敬される企業1位になったのは米Appleで、同社は昨年に引き続きトップとなった。2位は米IBMで昨年の4位から上昇した。3位は米McDonald’sで、同5位から上昇、4位は米Amazon.comで、昨年の2位から後退した。5位には米Caterpillarが入った。またテクノロジー企業では米Intelが昨年の17位から10位に上昇した。 これは、世界の時価総額上位100社を対象に米国の機関投資家に評価を聞いたもの。Barron'sはAppleについて、世界のスマートフォン、タブレット端末市場で激しい競争にさらされるなか、売り上げを伸ばし企業イメージも保っていることが投資家らに評価されたと見ている。 日本企業では、本田技研工業
最近ようやく、情報システムの「運用」と「保守」を分離しようという発想が、ユーザー企業の間で広まってきた。従来は、システムの「開発」に対して、「運用・保守」といったように一絡げにしてきたが、実際には全く別種の仕事。この両者を明確に分離し、併せて「保守」を“やめる”ことが時代の要請であることに、皆が気付き始めたようだ。 この場合の「保守」とは、アプリケーション保守のことだ。この「保守」には、バグつぶし、操作性などの細かな改正から、厳密な要件定義を含むかなりの規模の改変まで含まれる。一方「運用」とは、オープン系のシステムが当たり前のものとなった今、主にIT基盤の運用を意味する。 この話、実は1年前にも「クラウド時代のアプリケーション保守って何?」で書いた。少しおさらいすると、「運用」と「保守」を分離することで、これからの時代の「運用」はIaaSなどクラウド基盤の運用業務としてフォーカスできるよう
はたしてデータセンター事業は、これからも日本国内で成り立ち得るのか。最近、そんな“悲鳴”をITベンダーの関係者から聞くことが多くなった。その原因は電力料金の値上げ。ユーザー企業も海外に情報システムを移すことに抵抗感をあまり持たなくなりつつあるから、国内のデータセンターから情報システムが海外に流出するというシナリオも現実味を帯び始めている。 データセンターの運用コストのうち、電力料金の占める割合がどれくらいかというと、およそ3分の1だそうだ。当然、電力料金が大幅に値上げされると、運用コストが跳ね上がる。原発の再稼働がどうなるか次第だが、東京電力管内だけでなく関西電力管内などにあるデータセンターは厳しい状況に追い込まれる。 まあ、電気料金の値上げが単なる“国内問題”ならまだよい。値上がり分をデータセンター事業者とユーザー企業のどちらが負担するかという話にすぎないからだ。また、原発とは無縁の沖縄
2012年1~3月期における世界のスマートフォン出荷台数は前年同期比41%増の1億4460万台となり、同市場は急成長している。しかしその恩恵を受けているのは韓国Samsung Electronicsと米Appleのみで、ほかの多くのメーカーは苦戦を強いられている――。こうした調査結果を、米ABI Researchが現地時間2012年6月15日に公開した。 それによると、SamsungとAppleを合わせた2012年1~3月期のスマートフォン出荷台数は市場全体の55%になる。これを利益で見ると全体の90%以上を2社で占めている。ABI Researchは、「SamsungとAppleの市場支配力が圧倒的に強いため、有力な第3位のメーカーが果たして現れるかどうか疑問がある」と指摘している。 2012年1~3月期のメーカー別出荷台数を見ると、Samsungが4300万台でトップとなり、Apple
写真●新ブランド「EINS WAVE」のロゴを掲げるインテック ネットワーク&アウトソーシング事業本部の小川圭一参事マーケティング担当 ITホールディングス傘下のインテックは2012年6月12日、首都圏・北陸・関西の3地域にあるデータセンターを活用した分散型クラウドサービスの新ブランド「EINS WAVE(アインス ウェーブ)」を発表した(写真)。2012年夏中の本格サービス開始を目指す。 EINS WAVEは仮想マシン、データバックアップ、認証、デバイス管理、データセンターの場所貸し、サーバー運用など広範なサービスの総称として新たに命名したものだ。ネットワーク&アウトソーシング事業本部の小川圭一参事マーケティング担当は「当社はこれまで、お客様に言われてからシステムを作り始める個別対応を得意としてきた。今後は、既に作ってある機能の中から選んで使いたいというお客様に対して迅速に対応できる体制
NTTデータは2012年6月8日、同社が開発したOpenFlowコントローラー「バーチャルネットワークコントローラVer2.0」の販売を開始すると発表した。ソフトウエア製品で、発売時期は2012年内。同ソフトウエアを利用したネットワーク構築、システム開発、導入コンサルティングサービスなどを含め、2013年度に1年間で10億円の売り上げを目指す。 写真1●NTTデータ 技術開発本部 副本部長の木原洋一氏(左)と、同 ITアーキテクチャソリューションソリューションセンタ 部長の磯部俊洋氏(右) NTTデータ 技術開発本部 副本部長の木原洋一氏(写真1)によると、「近年、データセンターなどでは、システムの大規模化、複雑化に伴って、ネットワークに様々な課題が浮上している」。例えばサーバー仮想化環境でのライブマイグレーションなどへの対応、ベンダーごとに手順が異なる機器の設定変更の手間、スケールを考慮
米LinkedInは現地時間2012年6月7日、同社ユーザーの大量パスワード流出を改めて認め、繰り返し謝罪するとともに、警察当局と協力して調査を続行していることを明らかにした。 LinkedInは6月6日、ハッシュ化(暗号化)されたLinkedInユーザーのパスワード約650万件がハッカーフォーラムに投稿されていたことを確認した。ほとんどのパスワードは暗号化されたままだったが、一部は解読されて公開されていた。同社は解読されたパスワードを「ほんのわずか」としている。 LinkedInが認識している限りでは、それらパスワードと関連するログイン用電子メールアドレスは公開されておらず、LinkedInアカウントへの不正アクセスがあったとの報告はない。しかしすでに20万件が悪用されたとも報じられている(関連記事:Linkedinのパスワードが流出、650万件がハッカーフォーラムで公開との報道)。 同
「受託ソフト開発会社は生き残れない。当社だって、変わらなければ生き残れない」。NTTデータの山下徹社長は2012年5月21日、野村総合研究所(NRI)と共催した「ITと新社会デザインフォーラム2012」の記者会見で、こんな爆弾発言をした。実は、5月8日の同社11年度決算説明会でも、「受託ソフト開発に寿命が来ており、(いずれ)なくなる」との見解を明らかにしている。 山下社長が指摘する通り、国内中心に事業を展開する受託ソフト開発会社の業績は低迷している。2007年度をピークに売り上げは下がり続けていて、07年度と11年度の売上高を比較すると、JBISホールディングスが26%減、日本ユニシスが24%減、CECが24%減、富士ソフトが21%減、NSDが21%減と、軒並み2ケタのマイナスである。堅調なNRIでさえ2%減だ。 大手で唯一、NTTデータが16%増と大きく売上高を伸ばした。しかし、それは国
上場企業の約半数は、既に海外進出している。今後、この比率が高まるのは確実だ。ビジネスがグローバル化すれば、それを支える情報システムもグローバル化する必要がある。今回は、企業システムをグローバルに展開するために必要な人材、推進体制について探る。 国内市場は縮小均衡に陥りつつある。企業が成長し続けるためには、グローバル化は避けて通れない。システムを多言語対応するだけでなく、迅速にグローバルに展開し、現地の商慣習や文化に合うように素早く機能を追加・修正できる体制も不可欠だ。 そこで今回は、日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2012」のデータを基に、企業システムをグローバル化するための課題と今後の方向性を探る。 まず、ビジネスにおけるグローバル化の実態を知っておこう。本調査の対象は、東証一部上場企業とそれに準じる企業である。このクラスの企業は、約半数(51.3%)が「既に海外進出し
研究者や技術者は「ネゴる」「サチる」といった言葉をしばしば使います。「なんだそれは?」と疑問に思う人もいるでしょう。 「ネゴる」「サチる」はどちらも,「サボる」と同じように英語を短縮して動詞化した言葉です(サボるは元々フランス語ですが)。 「ネゴる」は「negotiation(ネゴシエーション)」を短くしたもので,「交渉」という意味です。「事前に上司とネゴっておく」というように日常でも使いますね。ネットワークに関して言う場合は,送り手と受け手が通信を始めるに当たって,速度や変調方式などをすり合わせることを指します。 「サチる」は「saturation(サチュレーション)」から来ています。これは「飽和」という意味で,アナログ技術や化学の用語として使われることが多いようです。ネットワークで「サチる」というと,通信するための帯域がいっぱいになったりデータの処理が限界に達して,それ以上速度が出ない
勘定系システムの開発失敗を巡るスルガ銀行と日本IBMの裁判について、東京地方裁判所が3月29日に下した判決の詳細が明らかになった。日本IBMが判決について閲覧制限を申請していたため、これまで日本IBMに約74億円の賠償を命じた判決理由は公開されていなかった。 今回、日経コンピュータが入手した判決文によれば、日本IBMが敗訴した最大の理由は、同社が勘定系パッケージソフト「Corebank」の選定に際し、リスクの回避策など十分な検討を怠った点にあった。今週の週末スペシャルでは、判決文にもとづく解説とともに、判決がITプロフェッショナルにどのように受け止められたか、さらに判決に至る経緯を振り返ってみよう。まず、判決文にもとづく解説記事を紹介する。 スルガ銀-IBM裁判の判決全容が判明 4年間にわたった裁判は、ITベンダーとユーザー企業にそれぞれどのような教訓を残したのか。次の記事では、弁護士やI
2000年代の前半くらいだったろうか。国内の電機産業では「パソコンはマイクロソフトとインテルにやられた。来るべき携帯電話の時代は、同じ轍を踏んではならない」といった議論が盛んだった。また、筆者の記憶が正しければ、当時「N503i」などのヒットで携帯電話の国内シェア1位だったNECは「携帯電話のOSにLinuxを採用して、世界シェア3位を目指す」と宣言していた。 しかし現実はどうなったのか。もはや言うまでもない。携帯電話はスマートフォンに置き換わりつつあり、そのスマートフォンはiOS(iPhone)とAndroidに牛耳られている。結局、同じ轍を踏んでしまった。CPUもARM一色だ。この頃は電子書籍ビューアや携帯型ゲーム機、ひょっとするとコンパクトデジタルカメラでもまた同じ轍を踏みそうな状況である。 NHKがソフトウエアをテーマとしたドキュメンタリー番組「新・電子立国」を放送したのは1995
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