実験で使われた半透明の財布と現金や鍵などの内容物。科学誌サイエンス提供(撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / SCIENCE / Christian Zd 【6月21日 AFP】無くした財布に入っている現金の総額によって、財布が持ち主に戻ってくる可能性は変わるのだろうか──。 古典的な経済理論では、誘惑が大きければ大きいほど人は正直でいられなくなると示唆されているが、このほど発表された研究結果はこの考えを覆すものとなった。利他主義、そして「泥棒」になることへの強い嫌悪感が金銭的誘因に勝ったのだ。 研究チームは40か国355都市を対象とする大規模な実験を行い、この問題について調査した。これは経済学と心理学の交点に関するこれまでで最も厳密な調査の一つとなった。 調査では、国によって極端な差異がみられることが明らかになった。「正直さ」の最上位はスイスとノルウェーで、ペルー、モロッコ、中国が