自動車の安全な走行や維持管理に欠かせない自動車整備。その職責を担う自動車整備士の不足がいよいよ深刻になってきた。少子化などを背景に、なり手不足が叫ばれて久しいが、都心部では「整備の空洞化」とも言える事態が表面化しつつある。車が高度化・情報化し、整備士に求められる技術や責任がいっそう高まる中、整備士人材を育て、定着させていく術(すべ)はあるのか。(岸本拓也)
独立系シンクタンク、安邦智庫(アンバウンド)創業者の陳功(ちんこう)氏=米国在住=は今月下旬、「ゼロコロナ」政策の転換について本紙取材に書面で回答した。厳しい行動制限の限界を訴えて政策転換を求め続けながらも、当局に聞き入れられなかった無念がにじむ。 安邦は8月に「コロナ防疫政策を調整する時が来た」と題した提言を発表し、注目を集めた。ウイルスの毒性が弱くなった半面、感染力が強いオミクロン株に対してゼロコロナは「社会経済のコストが高い」と指摘。欧米のように経済活動と防疫を両立させた「ウィズコロナ」に転換すべきだと訴えていた。陳氏は「高温高湿でウイルスが活発でない夏に政策変更するべきだった」と振り返る。 1993年に設立した安邦は、政府関係機関や企業に向け、主に経済や国際関係の情報分析や提言を行ってきた。民間シンクタンクとはいえ、王岐山(おうきざん)副首相(当時)が視察に訪れたこともあり、政府の
政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」が20日、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するパレードを東京都内で行った。インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で呼びかけ、約110人が参加。「国葬うちらは求めていない」などと訴えながら、日比谷公園から日本橋まで約2キロを行進した。 選挙ギャルズは5月末、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら平均年齢21歳の10人が結成。この日は「ラブ&ピース・パレード」と称し、軽快な音楽に合わせて「うちらは求めてない国葬」「返せようちらの民主主義」と声を上げた。「国葬に反対」「憲法改悪マジ反対」など自作のプラカードを掲げて歩いた。 メンバーの1人は取材に「国民の意見に耳を傾けず、国会の議論も経ずに国葬を決定した。民主的でないやり方は信頼できない」と話した。パレードに参加した都内の女性会社員(24)は「コロナ禍で格差が拡大したのに、手を打
会員制交流サイト(SNS)で知り合った男性から精子提供を受け、子を出産した東京都内の30代の女性が、男性が国籍や学歴を偽ったことで精神的苦痛を受けたとして、約3億3000万円の損害賠償を求め27日、東京地裁に提訴した。SNSなどで個人間の精子取引が広がる中、代理人弁護士によると、実際のトラブルを巡る訴訟は全国初とみられる。
防衛省が運営する新型コロナウイルスワクチンの東京大規模接種センターのインターネット予約システムで、正しい接種券番号などを入力したのに予約できない人が相次いでいることが、自治体などへの取材で分かった。同システムでは、架空の番号を入力しても予約できてしまう欠陥が見つかっているが、新たな欠陥がある可能性が浮上した。(大平樹) 予約受け付けは、東京23区の65歳以上を対象に、17日に始まった。東京都板橋区によると、予約開始以降、「区から配布された接種券番号を認証画面に入力したが予約できない」「接種券番号が間違っているのでは」など数十件の相談が寄せられた。本紙の取材に、同区内の70代の男性は「何度やっても『入力に誤りがあります』というメッセージが出て先に進めなかった」と話す。 目黒区にも、予約できなかった人から数件の問い合わせがあった。同区の担当者は「接種券番号を入力し確認画面に移った後、生年月日の
東京都港区のJR新橋駅前のニュー新橋ビル1階に4日、「新型コロナPCR検査センター新橋」が開設された。工務店や不動産会社などの「木下グループ」(東京都新宿区)の子会社が、医療法人の監修を受けて運営する。(宮本隆康) 木下グループによると、予約後にセンターで唾液を採取し、翌日に検査結果を通知する。唾液採取の時間は3分程度で、価格は2900円(税別)。同グループは検査キットの卸売りも手掛けていて調達コストが低く済み、工務店を営むため検査センターの設置費も抑えられ、検査価格を安価にできたという。 医療機関の検査証明書を発行する場合などは、医師のオンライン診断も受け付ける。企業向けに50人以上の団体の場合、検体を配送する方式でも受け付ける。団体は1人あたり2500円(税別)。来年1月には来店と配送を合わせ、1日に2万件の検査を目標にするという。
新型コロナウイルスの感染実態を調べるため、感染症に詳しい久住英二医師が東京都内でウイルス抗体検査をしたところ、一般市民の4・8%、医療従事者の9・1%が陽性(抗体あり)で、過去に感染していたことが分かった。久住医師は「現行のPCR検査で判明する感染者よりはるかに多く感染している可能性が高く、確実にまん延していると言える」と指摘している。 (市川千晴) 検査は久住医師が理事長を務める新宿区と立川市のクリニックで二十一~二十八日に実施。ホームページで希望者を募り、二十~八十歳の男性百二十三人、女性七十九人を検査した。このうち一カ月以内に発熱のあった人は五十二人、同居者でコロナウイルス感染者がいる人は二人、PCR検査を受診したことがある人は九人。PCR検査で陽性反応だった一人も含む。 検査結果では、一般市民の百四十七人の4・8%にあたる七人が陽性、医療従事者五十五人のうち9・1%の五人が陽性だっ
新型コロナウイルス感染の拡大で、安倍晋三首相が改正新型インフル特別措置法(新型コロナ特措法)にもとづき緊急事態宣言を出し、ライブハウスや映画館などが営業停止した場合の社員への休業手当について、厚生労働省は二日、本紙の取材に「休業手当の支払い義務の対象にならない」との見解を明らかにした。緊急事態宣言を出す場合、予算措置による所得補償もセットで講じなければ、生活困窮に陥る人が多数出るおそれがある。 (池尾伸一) 通常、企業が社員を休業させる場合は「会社都合による休業」として、労働基準法に基づき「平均賃金の六割以上の休業手当」を払う義務がある。現在、コロナの影響による営業不振や自粛で社員らを休業させている企業にも義務は適用されている。 しかし、緊急事態宣言が出されると、都道府県知事は学校など公共施設に加えライブハウス、野球場、映画館、寄席、劇場など多数の人が集まる営業施設には営業停止を要請・指示
業務用わさび最大手の金印(名古屋市)が、日本原産の香辛野菜「本わさび」に含まれる成分がヒトの育毛を促すメカニズムを初めて解明した。東京で二十四日に開幕する国際食品素材・添加物会議「アイフィア・ジャパン」で発表する。 本わさびの葉から、アンチエイジングに効果があるポリフェノールの一種である「イソサポナリン」と呼ばれる成分を抽出。ヒトの頭皮の毛根にあり、発毛に関する物質伝達をつかさどる「毛乳頭細胞」にイソサポナリンを加えて培養すると、細胞が活性化する効果が観察された。活性化の度合いは、市販の育毛剤の有効成分に使われる「ミノキシジル」を加えた場合の三倍に達した。 育毛を促すメカニズムについては、イソサポナリンの働きによって、毛乳頭細胞が外部からの刺激を受け取る「受容体(レセプター)」の感受性が高まり、細胞を活性化させることが判明。毛髪をつくるのに必要な栄養などを、毛乳頭細胞に送り届けるための毛細
【ソウル=島崎諭生】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の男女関係に関するうわさをネット上の記事で取り上げたとして、二〇一四年に産経新聞の加藤達也元ソウル支局長が名誉毀損(めいよきそん)の罪で在宅起訴された当時、青瓦台(大統領府)の指示で捜査が進められた疑いが濃いと、韓国の全国言論労組が二日、発表した。当時青瓦台で警察や国家情報院との調整を担当していた首席秘書官で、今年八月に肝臓がんで死去した金英漢(キムヨンハン)氏が生前に残したメモで、判明したという。 同労組が金氏の遺族から十一月末にメモの提供を受け公表。メモには、懲戒リストを作成し、警察や国家情報院に捜査班を設けることなどを、青瓦台が具体的に指示していた状況が記載されていた。 加藤氏の記事は一四年八月三日にネット上に掲載されたが、同七日のメモには当時の金淇春(キムギチュン)青瓦台秘書室長が「産経を忘れてはならない。懲らしめなければ。リストを
腹筋を鍛える運動器具「ワンダーコア」を使用中に死亡したのは器具の欠陥が原因として、名古屋市の男性=当時(46)=の親族女性が、ワンダーコアの輸入販売会社「オークローンマーケティング」(同市)に七千万円の損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴した。提訴は十四日付。 訴状によると、男性は昨年五月九日未明、自宅でワンダーコアを使用中、首につけていたネックレス二本が、器具のヘッドレストか背もたれ部分のピンに引っかかり、首を締め付けられて窒息死した。
東京都立墨田工業高校(江東区)で七月、水泳の授業中に三年生の男子生徒(18)がプールに飛び込んだ際、底で頭を打って首の骨を折る大けがをしたことが東京都教育委員会への取材で分かった。生徒は現在も入院中で、胸から下がまひした状態という。 都教委によると、事故は七月十四日午前十時ごろに発生。保健体育の男性教諭(43)がスタート位置から一メートル離れたプールサイドで、足元から高さ約一メートルの水面上にデッキブラシの柄を横に掲げ、生徒に柄を越えて飛び込むよう指示。生徒は指示通り飛び込み、水深一・一メートルのプールの底に頭を打ち付け、救急搬送された。
築地市場(東京都中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要な建物下に盛り土がされていなかった問題で、石原慎太郎氏が都知事在任中の二〇〇八年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かった。長所として工費の安さや工期の短さを挙げていた。土壌汚染対策を検討する専門家会議の盛り土案に反し、都が地下空間案を採用した判断に、石原氏の意見が影響したかどうか、解明が進むことになりそうだ。 (中沢誠、中山高志) 専門家会議は〇七年五月、ベンゼンで土壌が汚染されていた豊洲市場の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。〇八年五月十九日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。 しかし、石原氏は〇八年五月三十日の都知事の定例会見で、海洋工学の専門家がインターネットで「もっと違う発想でものを考えたらどうだ」と述べていると紹介。土を
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