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ブックマーク / blog.livedoor.jp/iseda503 (2)

  • Daily Life:『はじめての動物倫理学』読書ノート

    September 06, 2021 『はじめての動物倫理学』読書ノート 田上孝一さんの『はじめての動物倫理学』は、動物倫理の分野を概説するおそらく最初の新書であり、この分野の存在を多くの人に知らしめたという意味で、大変画期的なだと思う。 以下では主にわたしが同意できない点や疑問に思う点を中心に記述していくが、その前に書の良いところをいくつかあげておこう。 まず、全体として非常に読みやすい。ときどき「広く観念されている」(p.107)といった耳慣れない表現が出てきたりするものの、全般に難解な表現は極力避けられている。また、いろいろ留保をつけずに言い切る形で論述されているところが多いのも、立場が鮮明であるという意味で書の美点である。動物の権利論がいろいろな問題をどうとらえるかについて、田上さんなりの一貫した視点を提供しているのも書のよいところである。 第一章の倫理学理論の整理はスタン

  • Daily Life:『メタ倫理学入門』へのコメント

    March 25, 2019 『メタ倫理学入門』へのコメント 佐藤岳詩『メタ倫理学入門』はメタ倫理学に特化した入門書である。メタ倫理学の100年あまりの歴史の中で議論されてきたさまざまなテーマや、そのそれぞれのテーマについてのさまざまな立場が手際よく整理され、紹介されている。ときどき挟まれるフローチャート形式の分類図も読者にとっておおきな助けになる。分野外の人にとってなかなかアクセスしにくかったメタ倫理学という分野の全体像を広く紹介したという意味で、書の価値は非常に大きい。 書の独自性は、話題の配置にもある。メタ倫理学の歴史は言語の分析からヒューム的心理学の是非や道徳形而上学へと議論の領域を拡大してきたが、書はそれを逆にして、道徳形而上学から話をはじめる。それはおそらく、善や悪があるかないかという問題設定の方が、道徳語は何かを記述するかしないかという問題設定よりわかりやすいだろう、と

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