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ブックマーク / wedge.ismedia.jp (9)

  • 「里山資本主義」では持続可能な社会を作れない  WEDGE Infinity(ウェッジ)

    2014年の「新書大賞」に藻谷浩介とNHK広島取材班の『里山資主義』が選ばれた。「日経済は安心の原理で動く」と副題にあるが、里山の木質バイオマスを利用すると、安心な社会と経済が実現するのだろうか。藻谷は「マッチョな経済」との言葉で経済成長を否定し、里山資主義を推しているようだが、その結果、実は安心が失われることに多くの読者は気づいていない。だから、新書大賞に選ばれたのだろう。 菅直人元首相と民主党のマニフェストを覚えておられるだろうか。「最小不幸社会の実現」だった。里山資主義が目指しているのは、最小幸福社会とまでは言わないが、少なくとも「最大幸福社会」ではない。藻谷の『デフレの正体』と同様に、著者の主張には経済の観点からみると危うい点がいくつもある。「やくざな経済」から「かたぎの経済」へと言い、リフレ論などを「数字の裏付けや論理的分析を欠いたまま出てきている」と批判しているが、その

    「里山資本主義」では持続可能な社会を作れない  WEDGE Infinity(ウェッジ)
  • 子どもたちが学校で学べない日本の水産業の実態

    平成12年(2000年)の農林水産業のホームページに、こんなやり取りが残っています。小学生からの「漁獲量が減少している理由をおしえてください」という質問で、それに対する同省の答えは次のようなものでした。 「漁獲量が減少しているおもな理由は、いわし漁の大幅な減少と遠洋漁業の減少です。いわしの漁獲量が減少した原因は、海水の温度が少し高くなったのではないかといわれています。また、遠洋漁業の減少は、過去においては、日の漁船は外国の近海まで行って魚をとっていましたが、外国の人も自分達で魚をとろうということになり、日の漁船は、外国の近海で魚をとりにくくなったことが要因となっています」 海外の水産業のことをよくご存知でない方々にとっては、全く違和感の無いやり取りだと思います。これに、学校で使用している地図帳にも出ているグラフを合わせてみると、日の水産業は衰退している産業という、すでにある漠然とした

    子どもたちが学校で学べない日本の水産業の実態
  • “考える”ほどスリリングな遊びはない(前篇)

    哲学問題を、額に汗して考え抜いた師・大森荘蔵を継承して、 “哲学的思考とは何か”を実践的に探求し続ける野矢茂樹氏。 著書『新版 論理トレーニング』は、哲学分野で異例のロングセラー。 気で考えることの快楽を語らせたら、右に出る者はない。 高井ジロル(以下、●印) 先生は何哲学者なんですか。専門は分析哲学? 言語哲学? 論理学? 野矢茂樹教授(以下、「――」) 哲学というのはそういう質問に答えにくいものです。科学者なら研究しているものを見せればいいんでしょうが、哲学ではなかなかそういうものが見せられないのでね。 だから、肩書きはただの哲学者。専門は哲学。もう少し気分を出すなら、現代哲学か、あるいは分析哲学。言語哲学とか科学哲学ということはない。授業ではやりますが、専門ではない。哲学というのは、いろいろな問題がからみあっているジャングルみたいなもの。何哲学者なのかと聞かれるのは、ジャングルをパ

    “考える”ほどスリリングな遊びはない(前篇)
  • 漁業 「環境の変化」という魔法の呪文 ウナギ激減に無自覚な加害者・日本人

    失敗の質が正しく伝わっていないと、事態は改善どころか悪化に向かってしまうものです。主因と、単なる一つの要因に過ぎないことが入れ替わってしまうと、効果のない対処法が施され、一向によくならないことがあります。 経済問題を例に挙げれば、当は別の原因で業績が悪くなっているのに、サブプライム問題、欧州経済危機、超円高等、様々な「魔法の呪文」を唱えることで、問題の質が曖昧になってしまい、想定外の出来事が起こってしまったのだから「仕方がない」ものとして片付けられてしまうというようなことです。 確かに経済要因の影響はあるのです。しかし、それは決して主因ではなく、別に要因があることが多いのです。これらの想定外の経済問題が起こる前の話であれば、もちろん理由にはできません。しかしいったん想定外の問題が発生し、魔法の呪文が唱え続けられると主因と他の要因が入れ替わってしまい、何が何だかわからないうちに、正しい

    漁業 「環境の変化」という魔法の呪文 ウナギ激減に無自覚な加害者・日本人
  • 「魚はどこに消えた?」 急がれる資源管理

    『チーズはどこへ消えた?』というスペンサー・ジョンソンが出版したミリオンセラーがあります。迷路の中に住む2匹のネズミと2人の小人の物語で、彼らは迷路をさまよった末、チーズを発見します。ところがある日、そのチーズが消えてしまいました。ネズミ達は能のまま、すぐさま新しいチーズを探しに飛び出していきますが、小人達は、「チーズが戻ってくるかもしれない」と無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かしていました。しかし、やがて一人が新しいチーズを探しに旅立つ決心をするのです。 この話は、「変わらなければ破滅することになる」「従来通りの考え方をしていては、新しいチーズは見つからない」「早い時期に小さな変化に気づけば、やがて訪れる大きな変化にうまく対応できる」等、多くの教訓を教えてくれます。そして、今日の日の漁業問題によく当てはまっています。 常にあると持っていたチーズ(=魚)をべつくしたために無くな

    「魚はどこに消えた?」 急がれる資源管理
  • 言葉は、「あわだち」がおもしろい(後篇)

    小さな頃から集めていた辞書は、なんと100冊にも及ぶ。 の研究ができると知って、大学では図書館情報学を研究。 最近は、翻訳サイト「みんなの翻訳」によって、英語と日語の橋渡しを行う。 索引研究や図書館情報学、翻訳など、と言葉をめぐって研究を続ける影浦氏の願いは、 言葉の匂いや味わいを伝えていくこと。 ※前篇から読む方はこちら ●既存の学問分野に収まらないところで言葉の面白みを感じている、と。 ――言葉やその音が目や耳に残ることがあるでしょう。たとえば、「高井ジロル」だってキテますよね。とても印象に残りやすい。 たとえば、ぼくの好きなフーコーのの一文を読んだとすると、その一文が漂って宙に残る気がする。普通、言葉は意味を表していると思われていますが、言葉はそのものとして実体があって、それがいろんな歯触りとか舌触りとか耳障りとかにおいとかでうごめいているわけです。全部ではないですが、はまる

    言葉は、「あわだち」がおもしろい(後篇)
  • 言葉は、「あわだち」がおもしろい(前篇)

    小さな頃から集めていた辞書は、なんと100冊にも及ぶ。 索引研究や図書館情報学、翻訳など、とことばをめぐって さまざまな研究を続けている影浦氏の願いは、 言葉がもつ匂いや味わいを伝えていくこと。 高井(以下、●印) 中学時代に辞書を100冊近く集めていたそうですね。 影浦(以下「——」) 辞書の種類は問わず、言葉の意味を引いて楽しんでいました。『大言海』(大槻文彦編、冨山房)、戦前の漢和辞典、俗語辞典。僕が育った札幌の古書店には、まだ古い辞書が出ていたんです。なかでも気に入っていたのは上田萬年〔かずとし〕という国語学者が編者を務めた『大字典』(講談社)かな。 あとは、辞書の匂いも好きでした。『クラウン仏和辞典』(三省堂)はアマニ油のにおいがして。寝るときにふとんに持ち込む辞書を選ぶのは、喜びのひとときでした。中学の頃には、の表紙を取り替えて、自分で製し直したこともありますよ。 ●辞書

    言葉は、「あわだち」がおもしろい(前篇)
  • ACADEMIC ANIMAL 知的探求者たち:Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン):

    “学問玄人”である研究者の方々に話を伺い、学問の醍醐味、楽しさを伝える連載企画。ユニークな研究者、長い時間をかけて壮大な問題に取り組まれている研究者、学界の“星”のような研究者など、さまざまな研究者に、その研究内容や研究の道に入ったきっかけなどを伺います。ビジネス情報誌「月刊 WEDGE」との連動企画。 “考える”ほど スリリングな遊びはない(後篇) 哲学者 野矢茂樹 2010/11/17 高井ジロル 考えることのプロ・哲学者の野矢茂樹氏曰く、気の議論とは格闘技のようにぶつかり合い、ロッククライミングのようにスリリングなものだという。

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  • サイバー戦争に勝てるか 日本人ハッカー養成現場

    9月19日、「ついに日に対してもサイバー空間での宣戦布告か」と思わせる事件が発覚した。ミサイルや潜水艦などを製造する三菱重工のコンピューターが、内部情報を流出させる可能性のあるウイルスに感染していたのだ。同社は、製品や技術に関する情報が外部に流出した形跡は確認されていないとしている。だが、20日にIHIや川崎重工など日の防衛産業を支える他社も軒並み同様のサイバー攻撃を受けていたことが発覚したことからも、わが国の防衛機密が他国に狙われていた可能性は否定できない。まさに格的なサイバー戦争の時代が到来したといえるなか、いかに優秀な「サイバー戦士」を確保するのか。 ハッカー≒サイバー戦士 「名刺に書かれた情報から、オンラインで私の銀行口座にアクセスできますか?」 「おそらく。でも、そんなこと絶対にしませんけど」 名刺交換した際の愚問に率直に答えてくれたのは、サイバーディフェンス研究所シニアセ

    サイバー戦争に勝てるか 日本人ハッカー養成現場
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