物語を書く人はどんなことを考えて書いているか、物語を作らせる人は、どんなことを考えているか。音や絵に込めた物語を作るとき、どんなことを考えているのか。 本書は、村上春樹、島田雅彦、伊坂幸太郎、重松清、弘兼憲史、かわぐちかいじ、荒木飛呂彦、杉本博司など、各分野で活躍する17人の創作者が語るそれぞれの「物語論」についてインタビューし、考え方をまとめた1冊です。 物語は「書き写すこと」から始まる。 伊坂幸太郎と村上春樹。2人は現代の日本で最も小説が売れる2人と言っても過言ではありません。そんな2人が共通して行なっていたことがありました。それは、「書き写すこと」です。 村上春樹は小説を書くだけでなく「キャッチャー・イン・ザ・ライ」などの翻訳を行うことでも知られていますが、本書の中で小説の翻訳についてこのように語っています。 翻訳って究極の精読なんですよ。一字一句を揺がせにできない中で熟読するので、
![書評「物語論」(木村俊介)|西原雄一](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fe8732ee7820d2f5c98856cd4408b8ce0fa31eb1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F11851975%2Frectangle_large_type_2_86c6438c35ea6c6e36132296226bd860.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)