昨季は初の2軍落ち、今季は試合中に名古屋に帰されたことも 良くも悪くも自由な秋に、“予感”を抱いた。中日での6年目のシーズンを終え、秋季練習は全体練習に入らず調整を一任された。「フリーという話で。あるなぁという感じはありました」。頭をよぎるトレード。京田陽太内野手は、心の準備を整える。その瞬間は、すぐにやってきた。 いつから歯車が狂ったのだろうか。低迷するチームを変えていく旗振り役になるはずだった。プロの世界に飛び込んだ2017年は、球団新人記録を塗り替える149安打を放って新人王を獲得。一気にレギュラーをつかんだ。翌2018年には全143試合に出場。負担の大きな遊撃手だからこそ「しっかり守る」「試合に出続ける」には誰よりもこだわってきた。 打撃を疎かに考えたことはない。課題だった出塁率も改善していった。ただ、ルーキーイヤーの鮮やかな印象を、どうしても上書きできない。打率は2割5分を超えず