平成11年4月から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)が施行されました。この法律は,従来の伝染病予防法,性病予防法および後天性免疫不全症候群の予防に関する法律を廃止・統合したものであり,結核を除くすべての感染症を対象としたものです。 近年の生活環境の改善,抗生物質やワクチンの開発など医学の進歩により,感染症は著しく減少しました。赤痢は,1961年に91538人の患者を出しましたが,その後急激に減少し,1976年には727人となりました。それ以降,患者の減少は見られず,年間1000人程度で推移しています。コレラについては,1946年に1245人の患者を出しましたが,それ以降1976年までほとんど患者は出ていませんでした。しかし,1977年に29人の集団発生が起って以来年間数十名の患者が発生しています。 このように感染症の発生が1970年代以降減少しなくなった原