病気や災害、自死などで親を亡くした子どもや、障害などで親が十分に働けない子どもの学費を支援する「あしなが育英会」(東京)の奨学金が資金難に陥っている。高校の奨学金の申請者の半数超に給付できない事態となっており、募金活動をする学生たちが支援を求めている。 あしなが育英会によると、2023年度に同会に高校奨学金を申請したのは1988年度の制度開始以降で最多となる2629人(前年度比35%増)だった。しかし、資金不足のため約55%に当たる1461人には給付できなかった。 申請者が増えた背景には、同会の奨学金制度が貸与・給付一体型から全額給付型に変わって申請しやすくなったことに加え、遺児家庭の困窮が進んでいることがあるとみられる。一方、かつては半年で1億円超が集まることもあった学生募金は新型コロナウイルス禍で街頭活動ができない時期が続き、20、21年はそれぞれ年間1000万~2000万円台に落ち込