人種差別に直面した欧米での子供時代 ――なぜ「ソーシャルジャスティス」、つまり「社会正義」という本を書こうと思ったのか教えてください。 「ソーシャルジャスティス」という考え方は、もしかしたら生まれ持ったものかもしれませんが、私が小さい頃から持っていたものだと思うんです。小学校の頃にアメリカとスイスに住んだ経験が大きく影響しています。 ポジティブな経験が多かったのですが、人種差別や女性差別もありました。特に1990年代初めのヨーロッパでは、いわゆる白人至上主義が存在していて、日常の言葉の端々にアジア人は白人に比べて下の存在だとにじませた発言がある環境でした。スイスの公用語のドイツ語を話せないことで、公園で子供たちに囲まれてつばをかけられたこともありました。 私がどんなことを考えて、何に興味を持っている人間なのかとは別に、他人が私に投影するイメージがあって、それが良いものであれ悪いものであれ、
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