朝の光の中、大きな丸い目でずんぐりとした褐色の鳥が水田にたたずむ。すっと脚を伸ばし立ち上がるとおなかの下から数羽の小さなひながピョコピョコと飛び出した。5月下旬、浜松市内の水田で仲むつまじく暮らすタマシギの親子の姿が見られた。 タマシギは雄が巣作りや抱卵、子育てを担う。雄は4羽のひなにそっと寄り添い、水田を歩きながら長いくちばしで泥の中から餌を探し、ひなに与えていた。他の鳥の鳴き声がすると短い首をすっと伸ばし周囲を警戒し、駆け足であぜ道にひなを素早く誘導した。 タマシギ科に属し、全長は約24センチ。雌の方が鮮やかで顔から胸にかけて赤褐色の羽毛に覆われる。鳥類では珍しく「一妻多夫」の習性を持つとされる。静岡県内では水田や湿地などに生息するが数は少ない。環境省の絶滅危惧2類に指定されている。 (写真部・二神亨) 雄(右)の後をついて水田をピョコピョコと歩くタマシギのひな=5月下旬、浜松市内水田
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