※ この作品に編集等のミスは一切ありません。(作者) 耳をろうするローターの轟音と頬を打つ激しい風圧に、亜季はようやく意識を回復する。夢を見ていた、そんな事を意識するまもなく亜季は自分がこれから処刑されるのだと思い出す。亜季は十七歳の可愛らしいと自他ともに認める高校二年生、成績もそこそこ優秀だし、生徒会の書記も務める模範的な生徒で通っているが時々校則違反だってする、まあ普通の女子高生だ。しかしその日、そんな亜季は下校途中の人通りのない裏道で突然、停車していた車の中に引き込まれ、何か薬のようなものを嗅がされたと思ったら意識を失っていた。だから今も亜季はチェックのミニスカートに白のブラウス、赤の棒タイに白のソックスという高校の制服のままだ。 そして目が覚めたらどことも知れぬ国、ただしいるのは白人だからきっとヨーロッパのどこか、のスタジアムのような処にいた。周囲のスタンドは群衆に埋め尽く