世界のうなぎの約7割を消費している日本人。香ばしいうなぎの蒲焼は日本の夏の風物詩となっていますが、近年は季節を問わず店頭に並び、牛丼チェーン店のメニューにも登場しています。しかし、ニホンウナギは漁獲量が激減し、養殖に必要な稚魚(シラスウナギ)を確保するのさえむずかしくなっています。うなぎの食文化と資源問題。その行方は、私たち消費者の行動にもかかっています。 ニホンウナギ減少、3つの要因 今、うなぎの将来が危ぶまれるニュースが関心を集めています。政府機関や科学者らで作る「国際自然保護連合」(IUCN)は2014年6月12日、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定。日本の環境省も2013年2月、同様にニホンウナギを絶滅危惧種に指定しました(※1)。指定の理由は、主要河川における天然うなぎの漁獲量の減少。1960年代には3000トン台を記録することもあった天然うなぎの漁獲量が、今では10分の1以下に落ち