アングロサクソン時代のイギリスでは、16歳から60歳までの健康な自由人男子は地域のフュルド(英語版)と呼ばれる武装集団に属することが義務付けられていた[5]。この制度はノルマン・コンクエスト以降も維持され、イングランド王国では1181年の武装条例によって法制化された[5]。同条例に基づき、巡回裁判官 (Justice itinerant) が武装保持の遵守状況を点検するとともに、武備が王への奉仕(service)のためであることを宣誓させた[5]。当初、この武装集団(jurata ad arma)は国防と治安維持の両方を担っていたが、行政組織が発達すると適用される法および管轄裁判所の相違が生まれたことから、13世紀中に両機能の区別が意識されるようになり、このうち軍事機能を担うものが民兵(Militia)(英語版)と称されるようになった[5][注 1]。 イギリスに限らず、中世のヨーロッパに