社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 「経済成長は七難隠す」というのは飯田さんからよくきいたセリフだけれども、たしかに、この失われた二十年において日本経済に足りなかったのはマクロ経済政策であったと思う。最近、POSSEの台頭が目立つようになるたび、その筋の人たちがマクロ経済政策がまったく抜けていると指摘している。まあ、彼らが左派系の労働関係研究者の薫陶を受けているのだから、それはそうなるでしょう。しかし、僕はそれでも別にいいと思っている。 労使関係の分野でマクロ経済政策と結びつけた最後の議論は佐々木孝男による1984年の逆生産性基準原理であったといってよいだろう。佐々木さんは知る人ぞ知る、というか、労使関係界隈の人であれば、おそらく知らない人はいない大立者である。日本に労働生産