安楽死は堪え難い苦痛を終わらせるために、致死量の薬を医師に投与してもらうか、処方された薬を自分で使って死期を早める方法だ。 だが、幡野さんは担当医からは、いざと言う時は薬で眠って苦痛を感じなくする緩和ケア「鎮静」ができると約束され、心ある緩和ケア医との交流もある。 それでもなぜ、誰のために安楽死の議論を仕掛け続けるのだろう。 誰のための、何のための、安楽死?ーー幡野さんは「自分が苦しみたくないから安楽死を希望する」と最初のインタビューではおっしゃっていた。今は、制度を作ろうと大きなことを話しています。担当医は鎮静に理解があり、心ある緩和ケア医とも知り合い、海外で安楽死の権利も得ている。それでもなお、日本で安楽死を必要としているのはなぜですか? ああ、僕のことね。 ーー幡野さんが、社会に向かって議論を仕掛けているのは、ご自身だけの問題ではないと思っているように見えます。最初の動機は「自分のた