“トキシック・ポジティビティ(Toxic Positivity)”という言葉を知っているだろうか。コロナ禍で先が見えない状況を反映して6月ごろから英語メディアを中心に見かけることが多くなった。日本語にすれば“有害なポジティブさ”で、米フロリダ州フォート・ローダーデール拠点のセラピストグループ、ザ・サイコロジー・グループ(THE PSYCHOLOGY GROUP)は「どんな状況下においても幸せで楽観的な状態でいることを過度かつ無益に一般化しすぎること。その結果純粋な感情を否定、矮小化、無効化すること」と定義している。 同グループは同時に、怒りや悲しみなどネガティブな感情を抑圧し、言葉にしたり表情に出さないことで後に不安やうつ、身体的不調につながる可能性があることを警告している。例えば、落ち込んでいる時に無理やりポジティブに振る舞ったり、元気でないことに罪悪感を覚えてまた落ち込んだりと、元気な