第91回全国高校サッカー選手権は12日、東京・国立競技場で準決勝2試合を行う。宮崎県勢として初めて国立のピッチに立つ鵬翔は11日、横浜市内で約2時間練習。10日まで宮崎で調整していた松崎博美監督(62)は平常心を保つため、報道陣の取材に対し、選手に箝口(かんこう)令を敷いた。 「今までこんなに騒がれたことがないのでね」 秘めた思いがある。監督が「ここ(準決勝)まで来ると思っていなかった」と語るように、学校側が積み立ててきた遠征費1900万円が底をつき、応援部隊の上京費用など決勝まで1200万円(金額はともに推定)の追加を迫られた。佐々木逸夫校長は自らの名前で地元紙を通して、募金をお願い。教員とともに街頭で頭を下げた控え部員もいる。 「いろいろな方の支えがあってここまで来られた」と指揮官。歴史の続きを作る使命感を胸に、鵬翔イレブンは聖地に飛び出す。(林健太郎) (紙面から)