わたしは胃が弱い。 家族みんな弱いので遺伝性のものかもしれない。大好きなおもちを食べると胃がずんと重たくなり、冷えたお惣菜の天ぷらを食べると胃は働くことを放棄する。 わたしの胃は憎たらしいほど繊細なやつ。 胃が弱いわたしにとって、大根おろしは生活に無くてはならない存在だ。 わたしが幼いころ、お雑煮や天ぷら、焼き肉で胃もたれしてげっぷが止まらないとき、祖母がよく大根おろしをつくってくれた。それはとても辛味が強く、わたしが食べられないよと泣き言をいうと祖母は決まって「噛まずに喉に流し込むんや!食べ物だと思うからあかんのや、薬だと思って飲め」と言って食べさせてくれたものだ。 祖母がおろしてくれた大根おろしを食べると、不思議と喉元まで圧迫するような不快さがだんだんと治まり、胃が徐々にぐるぐる働き始めた。 大根おろしのジアスターゼは、わたしの繊細な胃を優しくなだめ、働くことを促してくれる頼りになるや