年間12兆円ものマイナス影響をもたらす技術的負債(あるいはレガシーシステム)はどのように生まれるのでしょうか。それを防ぐ方法はあるのでしょうか。技術的負債をとりまく歴史をたどりながら、ソフトウエアエンジニアではない人にも理解できるようにその正体に迫ります。 「技術的負債」の言葉は1992年に生まれた 「技術的負債(Technical debt)」は米国のコンピューター技術者であるウォード・カニンガム氏が1992年に提唱した概念です。技術的負債という言葉は瞬く間に流行し、システムとビジネスをつなげる用語としてもてはやされるようになりました。彼は同年のオブジェクト指向関連イベントで次のように語っています。 最初のコードを出荷することは、借金をしに行くのと同じである。小さな負債は、代価を得て、即座に書き直す機会を得るまでの開発を加速する。危険なのは、借金が返済されなかった場合である。品質の良くな
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