「今年3月以降、自宅から2km圏内のエリアをほぼ出ないで生活している。外に出たのは両手で数えられるくらい」。東京・丸の内の金融機関に勤めるD氏はこう話す。 2月までは、川崎市の自宅から小田急線で片道1時間かけて毎日通勤していた。働き方改革の一環として始まった早朝会議に間に合わせるため、朝食もほどほどにラッシュアワーの電車に乗る。その分、早く帰宅できるわけでもなく、数時間の残業の後、職場の同僚らと飲みに行くこともしばしば。平日は、むしろ「自宅2km圏内」にいるのは寝るときだけという生活だった。 休日はどうかと言えばこれまたあまり変わらない。都心や大型店の方が安く買えるし品ぞろえも豊富だと思い、ついついまた電車や車を使って都心近くまで遠征してしまう。そんな休日だった。 快適だった“多摩川を越えない生活” コロナ禍で生活は一変した。3月から在宅勤務が導入されると、顧客との打ち合わせも、社内のミー