最近、大手や中堅を問わずSIerの経営者は何かにつけて「オファリング」を口にする。富士通の「Uvance(ユーバンス)」がその代表例で、人月商売の親玉たちの間で絶賛大流行中と言ってよい。クラウドサービスなどの形で自社プロダクトなどを客に使ってもらおうという新規事業なので、脱人月商売の動きとして高く評価してあげよう……。と言いたいところだが、SIerの経営者は肝心要の施策に怖くてどうしても踏み切れない。だから、駄目なんだよね。 まずオファリングだが、既にこの「極言暴論」で何度か触れている。「ソリューション(解決策)の提供」といった意味合いで、自社・他社のソフトウエアプロダクトやコンサルティングサービスなどを一括して提供しようというものだ。システム開発を意味するSI(システムインテグレーション)やシステム保守運用といった従来の人月商売が「おっしゃっていただければ何でもやりますよ」というご用聞き