今年に入ってから貸家の増加が顕著である。貸家の着工戸数(季節調整済み・年率換算値)は2015年7-9月期に40.3万戸と消費増税前のピーク(2013年10-12月期:38.4万戸)を上回った後、10-12月期に一時的に落ち込んだものの年初からは増加を続け持家、分譲住宅との差も一段と広がりを見せている。本稿では貸家の着工が急増する要因について考察するとともに、今後の住宅着工の動向を展望する。 まず、最近の貸家着工戸数の変動要因を定量的に測るため、貸家着工戸数を被説明変数とし、金利、住宅ストック数、消費者マインド等の変数を用いて住宅投資関数の推計を試みた。 推計結果をみると、2012年までは実績値と推計値がほぼ一致した動きをしていることが分かる。その後2013年後半からは実績値が推計値を上回る状況が足元まで続いている[図表2]。特に、2013年10-12月期から2014年1-3月期、2016年
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