樺山紘一編著『新・現代歴史学の名著 普遍から多様へ』 川喜田二郎『発想法 改版 創造性開発のために』 加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』 知はバラバラであるよりも、関連づけることでいっそう大きな威力を発揮する。中公新書には、そのことを教えてくれる好著が多い。 なかでも創刊第一号の『日本の名著』や姉妹編『世界の名著』をはじめとする「名著」シリーズは、各領域の読むべき本を教えてくれる得がたいブックガイドだ。選ばれた本の組み合わせから、それぞれの本の位置や価値を示す文脈も見えてきて土地勘もできる。ことに『新・現代歴史学の名著』のように旧作を更新・補完する試みはありがたい。 中公新書には知の技法を惜しみなく教えてくれる名著も少なくない。私自身、かつて『発想法』で学んだ手法は、現在にいたるまで、本を書く際はもちろんのこと、ゲーム制作その他の場面でおおいに役立っている。知を集め、考え、結びつ
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