漫画を描き続けていれば、自然と技術が磨かれて画力や絵柄は変わるもの。それはコマ割や構図についても言える話であります。冨樫義博先生は「幽遊白書」を描き始めた時には、どこにでもある基本に忠実なコマ割や構図が目立ちましたが、「ハンターハンター」の連載を開始した頃にもなると慣れてきたのか、他の漫画家には見られない個性的な表現が増えてきました。 目は口ほどに物を言う 横長のコマを用いてキャラの目元を映す。冨樫先生の表現技法の中でも独特かつ多用されているものがこちらになります。会話が中心で身体の動きよりも表情を見せる事に重点が置かれる選挙編では、何十回も使われていたので記憶に残った方も多いのではないでしょうか。 一般的に口元まで描かれた方が、キャラがどの様な感情を抱いているのかを表現しやすいですが、冨樫先生はそこまで描かずとも瞳の光の入れ方や背景に貼り付けるトーンの柄、眉毛の形やデフォルメの度合いや汗