路上のたましい 鮎川信夫 どこまでも 迷って迷って 家のない場所へ行ってみたい どこへも帰りたくない 憧れにも恐怖にも 母にも恋人にも 暮れ残る灰色の道が 夕焼空にふと途切れている http://d.hatena.ne.jp/ishikawa-kz/20080910 ishikawa-kzさんという方のブログから鮎川信夫の詩を引用する。 家に帰りたくないという感情はふつうにある。しかし、「憧れにも恐怖にも 帰りたくない」とはどういう意味だろうか。日常/あこがれ 安息/恐怖 という2項があり帰るべき家とは、前項を意味するはずだ。「憧れにも恐怖にも 帰りたくない」とすると行くところがなくなってしまう。夕焼空にふと途切れている道を歩み宙に消えていく、アニメによくあるそうしたシーンのように消失するしかない。 まあこの詩は淡泊な叙情詩であり、そこまでの絶対的絶望を歌ったものではない。しかし鮎川が常に
![2009-03-22](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)