「今年はなんの年?」 そう聞かれたら、あなたはなんと答えるだろう。 戦後77年。コロナ禍3年目。そうして令和4年。いろいろな言い方があるが、私にとって今年は「連合赤軍事件から50年」の年である。 事件についてはのちに触れるが、そんな節目の年の2022年5月、元日本赤軍最高幹部の重信房子氏が20年の刑期を終えて出所したニュースが大きく報じられた。同年同月、やはり半世紀前、早稲田大学で学生が殺された事件を描いた樋田毅著『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(文藝春秋、2021年)が大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。さらに6月、連合赤軍事件で犠牲となった遠山美枝子氏について書かれた江刺昭子著『私だったかもしれない ある赤軍派女性兵士の25年』(インパクト出版会、2022年)も出版された。 と書いても、「なんのこと?」と思う人が大半だと思う。全部わかるという人は、アラ古希(アラウ
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