何気ない会話のなかでつい「男の子なんだから」「女の子なのに」といった言葉を使ってしまうことはないだろうか。世界的にも「ジェンダーギャップ」が大きいとされる日本[1]。今の社会に根深く存在する性別による偏見や不平等、いわゆるジェンダーバイアス[2]を次世代に引き継がないために、私たちはどう考え、どう行動すべきなのか。性暴力やセクシャルハラスメントにかかわる案件を多く担当し、2人の男の子を育てる母でもある弁護士の太田啓子さんに話を聞いた。 子どもたちの日常には、ジェンダーバイアスがたくさん ――2020年、『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』を出版されました。どんな思いで、この本を書かれたのですか? 太田 私には中学1年生と小学校4年生の息子がいます。私自身は三姉妹で育ったのであまり意識することはなかったのですが、息子たちを育てるなかで気になったのは、周囲の大人