世界的に有名な台湾の自転車メーカー、ジャイアント(台中市)が快走している。健康志向などによる自転車ブームとともに、トヨタ自動車から学んだ生産方式や会長自らがサイクリングをしてPRする体を張った“アナログ”な経営手法が実を結びつつある。3月には大阪に女性用自転車の専門店を開業するなど、台湾製自転車が日本を席巻する日は近い!?会長が自転車通勤? 「劉金標(りゅう・きんひょう)会長は通勤も自転車ですよ」。ジャイアントの社員はだれもが劉会長の人柄について語るとき、必ずこのエピソードを笑顔で打ち明ける。 劉会長は、鰻の養殖業などさまざま職を経て、1972年にジャイアントを創業。当時は従業員30人程度の小さな企業だったが、今では中国、台湾などに9工場を展開し、年間約6百万台の自転車を生産する大企業に成長した。78歳の劉会長は、自宅から会社まで片道40キロをほぼ毎日、自社の愛車で通う“サイクリング好き”