小説で、映画で、マンガで、よく見かけるあんなシーン、こんなシーン。 そんな"お約束"シーンから、特に食べ物が登場するステレオタイプを50パターン取り上げて、著者が真剣かつコミカルに解説したのが本書。 例えば… ●食パンをくわえて走ると、転校生のアイツとぶつかる食パン少女。 ●美人についうっかりみとれると、調味料をかけすぎる。 ●マスターが放ったグラスはカウンターをすべり、必ず男の掌にぴったり収まる。 どのステレオタイプも、「あるある!」というものばかりで、さらにそこからのストーリーの展開パターンも「そうそう!」と思わず肯いてしまうものばかり。 だけど、それでも本書がおもしろいのは、「食べ物がこう扱われているから、あるいはこういう象徴となっているから、視聴者はこう感じるのだ」という部分まで分析されているから。 食べ物に主軸を据えて"お約束"シーンを見ることで、より味わいが深まるのです。 また