7873億円という巨額の最終赤字を前期に計上した日立製作所。7月28日、上場子会社5社を完全子会社化すると発表した。8月20日に株式公開買い付け(TOB)を開始し、最大2790億円を投じて株式を取得する。 対象となるのは、情報系の日立情報システムズなど3社、プラント構築の日立プラントテクノロジー、記録メディアやリチウムイオン電池の日立マクセル。成長分野の電力、交通、情報通信など社会インフラを強化して、「脱総合電機」を進める狙いがある。 子会社から返り咲き、4月にトップに就任した川村隆会長兼社長。69歳のベテラン復帰と注目されたが、周囲の反応は冷ややかだった。それゆえに就任4カ月で積年の課題を実行に移したスピードは“肯定的な驚き”として受け止められている。 出戻り組が子会社説得 日立は事業を積極的に分社化し、自主独立を尊重することでグループを拡大してきた。今年3月末時点で連結子会社は9