金妍児と浅田真央の得点差を生んだ最大の要因はジャッジによる見栄え評価点(GOE)だ。GOEはジャンプやスピン、ステップなど各演技要素の完成度や美しさに応じて、プラス3点からマイナス3点まで7段階で評価される。 金妍児は飛び抜けて高かった。ジャッジ全員がすべての演技要素にプラス評価をつけ、17.40点もの加点を得た。浅田は8.82点。大技のトリプルアクセルを2度決めたが、いずれのジャンプもGOEはそれほど得られなかった。 表現力を示す演技構成点でも差がついた。金妍児は「スケーティング技術」「演技力」「音楽の解釈」で9点台(10点満点)をマーク。一方の浅田は「技のつなぎ」が7点台にとどまった。演技構成点は独立した採点基準がある。だが、ジャッジの主観に基づく要素も否定できず、4回転ジャンプなど大技を成功させたり、全体を高いレベルでまとめたりすると、得点が上がりやすい傾向もある。 浅田は回転