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ブックマーク / honz.jp (9)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

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    non_117 2024/07/15
  • ”素人にこんなオモロイ本を書かれたら困るがな” 的な医学エンタメ『人体大全』 - HONZ

    医学系書籍の現状と将来について講演する機会に、いくつかの提案をしたことがある。その時、特に重要性を強調したのは、良き書き手の育成である。売れ筋の医学系書籍をしらべてみると「トンデモ」が並んでいて愕然とする。その理由のひとつは、まともな医学系書籍は面白くない、あるいは、面白く書ける人が少ないということにある。できれば「このようなオモロイを書けるような著者を育てるべきだ」と例をあげて話したかったのだが、あまり適当なを思いつけなくて諦めた。その講演のすぐ後で、書を読む機会があった。あぁ惜しい、タッチの差であった。このを知っていたら胸をはって紹介できたのに。 この、まず何しろ面白い。それだけでなくて、わたしのような医学研究者にとっても、知らないことが多くて勉強になった。著者はいったい何者なのかと、ビル・ブライソンがこれまでに書いたを調べてみた。多くは旅行関係で、他には『人類が知ってい

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    non_117 2021/10/14
  • 『実験国家 アメリカの履歴書』 統合と多元化に揺れ動く大国 - HONZ

    過激な発言や過去のスキャンダルのために共和党候補にすらなれないと思われていたドナルド・トランプが、世界最強国家アメリカの次期大統領となることが決まった。リーマン・ショックに端を発する不況が、世界を不安で包み込もうとしていた中、若く聡明なマイノリティのバラク・オバマに希望を託した人々が、8年後の今は、対極とも思える人物をリーダーに選んだのである(その選挙制度のため、得票数自体はヒラリーが多かったけれど)。 アメリカは、この8年間で決定的に変わってしまったのだろうか。それとも、極と極の間で揺れ動くことは、もともとアメリカが持っていた性質なのだろうか。移民の国をアイデンティティとするはずなのに移民排斥活動が盛んになったり、黒人大統領が誕生して統合へ向かうかと思えば黒人差別をめぐる暴動が多くの都市で起ったり、数え切れないほどのノーベル賞受賞者を産む科学大国なのに未だに進化論を学校で教えることに反対

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    non_117 2021/10/09
  • かわいいあいつも、食べるとおいしい。『世界のへんな肉』アルパカもビーバーも、肉。 - HONZ

    肉。ああ、なんて魅惑的な響き! 焼きたての熱々をほおばれば、じゅわっと脂がとろけて、たちまち脳内はあふれ出る幸せホルモンの大洪水や~!! じるるっ。 おっと、よだれが。失礼しました。日人がこういうときに想像するのは、やっぱり牛肉? 北海道の人ならヒツジかな? でも、世界では「まさかのあんな動物」や「かわいいこんな動物」も、肉です。材なのです。 書は3年かけて世界一周の旅に出た著者が、いろんな国で出会った心温まる肉とのふれあい……じゃなくて、動物とのふれあいと、そのお肉の味を、おおらかな文章とゆるいイラストでたっぷり紹介してくれます。 ただ、著者は肉のために旅に出たのではありません。低血圧で朝が苦手で会社員に向いていない→  ふと自分が生まれてそろそろ1万日であることに気付く→  会社を辞める→  目的もしがらみも締め切りもない旅に出る。そして どこへ行っても動物と触れ合うのを楽しみに

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    non_117 2021/10/09
  • 『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? - HONZ

    哲学のを一冊ずつ読んでも、それが大きな哲学・思想の枠組みの中でどの部分に当たるのかが分からなければ、文字を目で追っているだけになってしまうし、哲学についての解説書を読んでも大抵の場合、21世紀に入ってからの最新の動向は書いていないし、おまけに議論と実社会での出来事との関連性が希薄なので、意識が朦朧としてきてしまう。そのような読者に福音をもたらしたのが書である。 哲学者の名前を、例えば、デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデッガー、サルトル、ドゥルーズ、フーコー、デリダ、チャーチランド、シンガー、クレーマー、スティグレール、クラーク、チャーマーズ、メイヤスー、ガブリエル・・・と並べた時に、一体どこまで認識できるだろうか。 多分、チャーチランド辺りから怪しくなってくるのではないかと思うが、生まれた年を見ると以下の通りになっている。第二次世界大戦後に生まれた哲学者からポストモダンの次の

    『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? - HONZ
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    non_117 2018/07/15
  • 『宗教国家アメリカのふしぎな論理』 矛盾だらけのアメリカを宗教から読み解く - HONZ

    その男は酒もタバコもしない。ギャンブルに手を出すこともない。刺激物はコーヒーすら飲まないのだ。キリスト教の教会に通い、積極的思考(ポジティブシンキング)を実践することで世界一の大国アメリカで人もうらやむ成功を手にした。この禁欲的に思える男の名前は、ドナルド・トランプ。そう、現アメリカ大統領のトランプには奇妙な信心深さがある。 テレビから伝わるトランプのイメージは、禁欲や信心深さという言葉からは対極にある。政敵を口汚く罵り、派手な女性遍歴を誇るトランプに、どのように禁欲的な性質が内在するのか。遠く日から眺めていると、その存在は矛盾だらけの奇妙なものに思えてくる。しかし、『反知性主義』でトランプ現象を予測したとも言われた著者の森あんりは以下のように、トランプの存在は特異なものではないと説く。 トランプの奇妙な信心深さは、アメリカ的なキリスト教の文脈ではけっして特殊な例ではないということです

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    non_117 2017/12/22
  • 『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合 - HONZ

    戦争にまつわる物理学のを書いている」著者がこう話すと、周りからは「物理学が戦争と何の関わりがあるんだい?」という言葉が返ってきたという。続けて「ああそうか、原子爆弾のことだね」と言われたという。『戦争の物理学』という書のタイトルを読んで同じように思った方も多いだろう。もちろん、書では原爆の事も論じられている。しかし、それだけではない。人を殺傷する際の運動エネルギーも全て物理の法則にのっとり行われている。書は古代から現代までの兵器の変遷を物理学の視点から読み解いた、一風変わった作品だ。 書は、それぞれの時代の兵器の変遷を説明し、その兵器がいかに活躍したかを戦記風に記述した後、兵器にまつわる物理的な話へと移る、という構成が取られている。このため、歴史好きの人にもお勧めできる一冊だ。 例えばロングボウという弓の話は「100年戦争」のさなか、ロングボウの活躍により圧倒的な兵力差を誇る重

    『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合 - HONZ
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    non_117 2016/04/28
    位置エネルギー……? モデルとしてはばねじゃないのか。でも面白そう。
  • 『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』国民国家の溶解 - HONZ

    書を読むまで私はイスラム国が数多くあるジハード集団のひとつだと勘違いしていた。今、中東でおきている出来事を理解する上で、間違いなく書は読んでおくべき一冊だ。 まず驚かされることは、イスラム国は自爆テロ一件ごとの費用にいたるまで詳細に記録し、高度な会計技術を駆使した、収支報告書を作成しているという点だ。無論、過去にも「テロ」という行動を巧みに使い、経済的に成功してきた武装組織は存在する。PLOなどもそのひとつだろう。 しかし、彼らがこれらの武装組織と違う点は、シリア内戦の混乱を利用し巧みに経済的な自立を果たした点にあるという。多くのテロ組織は複雑な国際関係の中で、いずこかの国々から経済的な援助を受け、いわゆる代理戦争の「駒」として行動している。当初はイスラム国もそのような組織のひとつだったのだが、彼らは援助された資金を、援助国が望む勢力の攻撃に使用せず、自らの国家建設のために使用していた

    『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』国民国家の溶解 - HONZ
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    non_117 2015/01/30
  • 『どうすれば「人」を創れるか アンドロイドになった私』文庫解説 by 平田オリザ - HONZ

    文中にあるように、私と石黒浩氏は、この6年間、ロボット演劇プロジェクトを通じて密接に付き合い、すでに5の作品を創り、国内外をともに旅してきた。とりあえず、その経緯を簡単に記しておく。 2007年、私が阪大に移って2年目の夏、とあるシンポジウムの控え室で、鷲田清一総長(当時)と雑談をしている最中に、「そろそろ大学にも慣れてきたでしょう。何か他にやってみたいことがありますか?」と聞かれ、私は即座に「ロボットと演劇を創りたいんですが」と答えた。もともと阪大に移るにあたって、石黒先生のことは知識としては知っていたし、できることなら一緒に仕事がしてみたいと周囲には話をしていた。 鷲田さんは、さっそく手ずから段取りを付けてくれて、その翌週には、石黒先生と、その同僚の浅田稔先生の研究室に伺うことになった。私が最初にお二人にした質問は、「私がプロジェクトに加わると、皆さんの創ったロボットを、いま持って

    『どうすれば「人」を創れるか アンドロイドになった私』文庫解説 by 平田オリザ - HONZ
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    non_117 2014/11/22
    ロボットが人間を超えたと誰もが認めざるを得ない状況になった時に人間がロボットをどう扱い、われわれがどう生きていくか考えておく必要があるだろう。
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