音楽2012年4月5日。東京の新宿初台オペラシティコンサートホールで小沢健二を観てきた時の話をしようと思う。未見のあなたの興を削ぐような事は書かないつもりだけれど、僕にとっての「これぐらいなら書いても良いだろう」が、あなたにとってもそうだとは限らないので、この先を読むか否かは各自で判断して下さい。少なくともセットリストやライブの構成、小沢健二の発言内容をつぶさに書いたりはしていません。逆に、それらの情報を求めている人にはこの話は物足りないかも知れない。 本題に入る前に最近観た映画の話をしよう。『タケオ ダウン症のドラマーの物語』というドキュメンタリー映画だ。ダウン症の少年タケオが、打楽器との出会いを機に生活の場を見出していくこの映画の中で、あるセネガル人の打楽器奏者がタケオにこんな事を語る。 「自分のリズムを信じろ。大地のリズム、自然のリズムを受け止めてお前の中に芽生えたリズムを信じて演奏