日本人が肉を食べなくなったのは646年以降 さて、ここで江戸時代までの日本の肉食の歴史を、“超訳”版でざっくり振り返っておきたい。 日本で肉食文化が一般に広まったのは、明治の文明開化以降のこと。江戸の後期から「ももんじ屋」などのぼたん鍋料理店はあったものの、地域や調理法は限定的だった。7世紀以来何度となく繰り返されてきた肉食禁止令もあって、おおっぴらに食べることに抵抗のある人々も少なくなかった。 そもそも、古来豚肉などを食べていた日本人が肉を食べなくなったのは646年、孝徳天皇の大化改新の詔が発布されて以降のことだ。 当時のお触れを意訳すると、「4~9月までの間に農民が酒を飲み、(鳥や魚などの)うまいものを食べるなんてもってのほか。農作業にいそしむべし」という内容である。 このお触れ自体は肉食禁止というよりも、「贅沢禁止」「仕事にいそしむべし」という性格のものだったが、そもそも肉を食べてい