無料の貸本屋から、本を通したよろず相談所へ――。地域の情報拠点として変身を図る公立図書館が増えている。専門職員が起業相談に応じたり、勤め帰りの会社員のため夜10時まで開館したり、サービスが多様化。公共サービスの費用対効果が厳しく吟味されるようになり、図書館も「守り」から「攻め」の姿勢に転じた。(高橋直彦、写真も) 今月中旬、鳥取県倉吉市で開かれた中小企業向けの経営セミナーに、約50キロ離れた同県立図書館(鳥取市)の職員が約300冊の本を積んだワゴン車で駆けつけた。 IT(情報技術)経営術やパソコンソフトの解説など、セミナーに即した内容の本をそろえ、その場で貸し出す「出前図書館」だ。借りた本はそれぞれの自宅近くの図書館などで返却できる。こうした出前を年間60回以上実施している。 「カウンターで本を貸し出すだけの受け身の姿勢から抜け出す試みの一つ」と同図書館支援協力課長の小林隆志さん。 このほ