病気になった患者が自らの体験をまとめた闘病記は、同じ病気に罹った人にとっては非常に価値の高い参考書だ。患者本人の“生の声”で、不安を解消してくれたり、勇気づけたりしてくれる。 全国の公立図書館や大学図書館、病院の図書室などでは、闘病記だけをひとつのコーナーに集めた「闘病記文庫」を設けるところが増えている。疾患別では、がんの闘病記も数多く出版されているので、知りたいがんの情報収集にはきっと役立つはずだ。 初めて闘病記文庫を開設した公立図書館は東京都立中央図書館。闘病記ライブラリーの設置を推進してきた市民グループ「健康情報棚プロジェクト」(代表・石井保志さん)からの働きかけで、931冊の闘病記が寄贈され、2005年6月にスタートした。 現在、同館の闘病記文庫は1階、健康・医療情報コーナーの一角にあり、約1600冊の闘病記が263種の病気別に並んでいる。そのうち、“がん”が占めるのは79種