1年に及ぶハーバード大学での滞在研修も、3月で終了になります。 この1年を通して感じたことのひとつは、図書館の運営・サービスの方法・考え方にはじつにさまざまなものがある、ということでした。あって当然と思われるかもしれませんが、実際、日本の図書館運営はどうしても横並びになってしまいがちです。対してアメリカでは、同じ大学図書館であっても、蔵書の傾向も、サービス対象者も、学生のニーズや研究者の動向も、それぞれの大学によってまったく異なりますし、それに応じて、資料の取り扱いやサービス方針、図書館というものがどうあるべきかという考え方も千差万別なものになってきます。同じハーバード大学内でありながら、利用のルールやポリシー、採用するシステムが違う、ということも珍しくはありません。 それは、「他所がこれをやっているから、うちも」「誰それがそう言っているから、その通りに」というような姿勢ではなく、各館・