編集者をやっていると、欠かせないのが「取材」だ。 マンガ編集者というと、華やかな響きがあるかもしれないが、実際は泥臭い仕事が多い。連載がはじまれば、作家がストーリ作りに専念できるように、参考になる資料を探したり、裏付けとなるデータを見つけたり、詳しい人に話を聞きに行ったりと、作家の代わりに様々な調べ物をサポートする。 そうやって集めてきた素材を作家がどう料理するのかを、間近で見れるのが編集者の楽しさだ。僕が新人編集者として『ドラゴン桜』を担当していた時は、そのような発見の連続だった。 「このネタを、こう使うのか!」 まさに普段、自宅で使っている食材が、シェフの手に掛かると見違えるように美味しくなるのと同じだ。 取材で集めた素材は、すぐに使われる場合もあれば、だいぶ時間が経ってからの場合もある。自分が集めてきた素材が、予期せぬ姿で作品に登場した時、「着目する点が違うなぁ」と、作家の才能を改め
![取材がうまい人は何が違うのか?|佐渡島庸平(コルク代表)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/41866580e0292ca5d62815c692b974d4c572dd44/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F45826382%2Frectangle_large_type_2_3ba5068b10af1dc36188dc04952f7fa7.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)