経済誌の記事には「経営理念」という言葉がよく使われる。使われる、だなんて他人行儀な書き方をしてしまったが、記者もよく使う。「理念」とは、「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え」(『大辞泉』)。つまり、経営理念とは「経営に対する根本の考え」ということになる。 のっけから理屈っぽく当たり前のことを書き連ねたのは、この「経営理念」という四字熟語。たやすく口にするほどに簡単なものではない、と思うからだ。 記者も降参、理念経営を実践するすごい会社 経営の実践と理念がリンクしている事例を見ることはほとんどない。立派な経営理念が額縁に納められて飾られていても、従業員はほとんどそれをお経のようにただ唱えるだけ。ひどいところになると、手帳に印刷された経営理念を読んだこともない従業員すらいる。例えは悪いが、漢語の意味も分からぬ子どもたちに教育勅語を暗誦させている戦時中の図にも似ている。独りよがり
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