『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』などで知られる、国際的にも評価の高い新海誠。気鋭のアニメーション監督が手掛けた最新作が『君の名は。』。夢の中で“入れ替わる”少女と少年、別の場所に生きるふたりの恋と奇跡の物語だ。「エンターテイメントのど真ん中をつくりたかった」という新海監督の世界観を、美術監督の丹治匠さん、渡邉丞さん、美術背景の小原まりこさん、友澤優帆さんはどのように描いたのか? ヒロインの宮水三葉が暮らすのは、大きな湖が町の中心にある糸守町(いともりまち)。飛騨の山奥にある架空の町という設定だ。糸守を描くにあたり、諏訪湖をはじめ、湖のある街の風景などを参考にしたと語るのは、美術監督の丹治匠さん。 「糸守は擬洋風建築が多く残っている町なので、宮水家は和洋折衷の古い木造建築にしました。大きな家だけど、祖母と妹との女3人暮らし。女性だけの住まいだからきちんと手入れ