◆日本が向き合う「戦争」 前回記事のような自爆攻撃を自衛隊が避けるにはどうするか。結論から言うと、「そういう地域に行かない」というのがベストである。しかし、国会は安保法案を可決したのだから、「積極的に平和を作る」ために今後何が起きうるかも想定しておくことは重要だろう。 自衛隊の基地防御だが、サマワ宿営地のような周囲に何もない場所に設営する基地と、市街地に作られた施設を防御するのは方法も異なる。野営基地の防御は土掘や盛り土で囲んで防護壁を立て、入り口には車止めの段差とS字障壁をいくつも設けるのが通例である。自衛隊員を守るにはひたすら基地を強固にすればいいわけだが、自衛隊が送られる目的は外国に難攻不落の軍事要塞を作ることではないし、そうするほど地元住民との距離は遠くなり、反発も広がることになる。地元の理解と住民感情がじつは大きな防御手段でもあるのだ。 難しいのは市街地だ。これは在外公館などの