my classics アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン 知ったかぶりを暴き、論理的にめった斬り まず最初に白状しますが、難解な本です。 高校時代、物理も数学も赤点ばっかだった私は、初読のときには内容の半分も理解できませんでした。そもそも〈ポストモダン思想〉なるものがよくわからず、本書で名前を挙げられている哲学者や思想家諸氏のことはまさにその名前ぐらいしか知らず、〈サイエンス・ウォーズ〉についても漠然とした知識しか持ち合わせていませんでしたから、なおさらです。 それでもこの本は面白かった。だから何度も読み直し、読み重ねるたびに少しずつ解(わか)ってゆくのが嬉(うれ)しかったのです。 世界的に著名な思想家たちが、自身の思索を語ったり文章化したりする際に、自然科学、なかでも数学や物理学の専門用語や概念、理論をばんばん使う。それが、専門家の目から見るとトンデモない間違いだらけだ。しかし、その