「テストの目標を満点の100点にしなくてもいい」。慶應義塾大学言語文化研究所の教授・川原繁人さんはそう考えている。社会に蔓延する100点至上主義への4つの違和感と、「“30点でOK”の精神がかえっていい結果を呼ぶ」と考えるワケとは――。 ※本稿は、川原繁人『なぜ、おかしの名前はなぜパピプペポが多いのか? 言語学者、小学生の質問に本気で答える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。 ■私が娘に「100点なんて目指さなくていい」と言った理由 対談の最後に出てきた話題ですが、この点についての私の考えを膨らませて本書の締めとしたいと思います。 まず、私が娘に「100点なんて目指さなくていい」と言ったのは実話で、娘は当時小学校2年生でした。年度末の漢字テストで90点以下は再テスト、というような場面だったと思います。 「100点とるためにがんばる!」と言った娘のことばに思わ
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