発達障害の子の教育ニーズに応じ、個別指導する教室がある。 プレールームの窓から柔らかな光が差し込む。ゆったりとしたピアノのメロディーに合わせ、両腕をゆっくり真上に上げたり、四つんばいになって片腕と片足を同時に上げたりする子供たち。「よく努力しました」「とてもきれい」と女性教諭がよい所を見つけてほめていく。紅潮した子供たちの顔に次々と笑みが浮かんだ。 東京都多摩市立の小学校。この日、周辺の学校の子供も加わる通級指導学級の自立活動のメニューは運動だった。「普通の体育とは違い、体と感情を上手にコントロールするためのトレーニングです」と説明するのは、障害児教育の経験が豊富な女性教諭。触覚や聴覚などの感覚に刺激を与えて脳機能の活性化を図る、発達障害を持つ子への指導法「感覚統合療法」だ。 おさげ髪の女児の姿が目についた。小学3年のさくらちゃん(仮名)。注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害を持