一行目から気に入った。簡潔に、こうある。 あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を紹介するのが、本書のねらい もっと焦点をしぼれば、 ノンフィクションのテーマ設定 資料収集のノウハウ インタビューのアポとりと準備 インタビュー(聞き取り、観察、記録) ネットワーク作り 資料整理 そして執筆の準備から脱稿までの方法丁寧に徹底的に書かれている。プロフェッショナルの具体的な技術が明かされている。こんなに詳らかにしてもいいのかしらんと心配になるほどオープンだ。 野球のバッティングにたとえるなら、「フォーム」にあたる部分が本書。ノンフィクション・ライターとして培ってきた膨大な技術の中から、一般にも役立ちそうな「フォーム」をレクチャーしてくれる。 興味深いのは、書き手が「いい嘘」をついているところ。 一般化できそうな「フォーム」に限定しているから、「著者の独創は最小限に