3.判決の教訓 SNS上で投稿を行う場合、どうすれば名誉毀損リスクを減らすことができるでしょうか。例えば、投稿の公開範囲を友達等に限定しておけば、「公然性」が否定され、名誉毀損が否定されることがあります。その意味では、公開範囲の限定が、ある程度名誉毀損リスクを低下させるということはできます。 この事件は、SNS上の投稿について、現実に公然性を否定して名誉毀損を否定したものとして重要です。 もっとも、公開範囲の限定は万能ではありません。 たとえば、相談事例と少しだけ事案を変えて、投稿時のAのマイミクの人数が98人であったことを、Bらが立証できていたらどうでしょうか。 これは、たとえば、投稿直後にマイミクの人数に関する証拠を取得しておいて、それを裁判所に提出することができた場合です。 もし、投稿時点で98人もの読者がAの投稿を読むことができていたのであれば、これだけの人数が閲覧できたのであれば
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